本や雑誌をデザインする「エディトリアルデザイナー」って?
- Marina
- 2023年5月5日
- 読了時間: 4分
更新日:2023年9月12日

デザイナーと仕事をする機会があまりない人は、
「デザイナーって、チラシもホームページも本も商品パッケージも電化製品もデザインできて、もちろんイラストや漫画も自在に描ける人」
と思ってくださっているようです。
期待に応えたいし、そのように縦横無尽なデザイナーさんも多数いらっしゃるのですが、
デザインには専門分野があって、必要な知識や習得スキルは異なっています。
そして呼び方(肩書き)も異なります。
例えば…
チラシ、ポスターなどの商業物を主に手掛ける人:グラフィックデザイナー
ホームページやLPを主に手掛ける人:WEBデザイナー
商品パッケージを主に手掛ける人:パッケージデザイナー
工業製品などを主に手掛ける人:プロダクトデザイナーなど
イラストやキャラクタを自在に描く人:イラストレーター・絵師
※呼び方は一例で境界線はあまりなく、広範囲だったり複数を兼ねたりすることも多い
そして、書籍や雑誌、新聞などの印刷物を主に手掛けるのが「エディトリアルデザイナー」です。
本やカタログのデザインは、得意そうな人に依頼しよう
「エディトリアル」とは、新聞や雑誌など印刷物の「編集」を意味します。
エディトリアルデザイナーは、次のようなデザインが得意です。
書籍
雑誌
新聞
カタログ
パンフレット、リーフレット
いわゆる「ページもの」ですね。

延々とページが続く印刷物をデザインするには、
読みやすさ
全体の流れ
情報整理力
印刷知識
製本の知識
なども重要になってきます。
もし本やカタログの制作を誰かに依頼するなら、
「エディトリアルデザイナー」
または
「エディトリアルデザインの経験が豊富な人」
を選択肢に加えてみると良いと思います。
エディトリアルデザインとは…
エディトリアルデザイナーさんのインタビュー記事でとてもコンパクトに話されていた言葉があったので、ご紹介します。
エディトリアルデザインは、写真、イラスト、文章など、たくさんの情報を整えてまとめる。そして本、雑誌、冊子などの一つのモノにする。
断片的な見せ方ももちろんありますが、映画のようにストーリーがあり、それぞれの情報をどう表現して、どう見せていくか。内容にあわせた見せ方を編集さんと一緒に考えデザインを進めていきます。
ページをめくる順番が必ず出てくるので、めくっていく中で読み手の感情が変化していく面白さがエディトリアルのデザインにはあるんだと思います
ベテランデザイナーでも、本のデザインはうっかりしてしまう?
以前、広告やパッケージを主に手掛けるデザイナー歴20数年になる大先輩が手掛けたフリーペーパーを見せていただいて、意外に感じたことがありました。
全体的には素敵な雰囲気。
なのですがよく見ると、文字が不揃いでガタついていたんです。
また、海外で受賞経験のあるグラフィックデザイナーさんが手掛けた書籍をいただいたことがあり、第一印象は「さすがセンス良い、上手!」。
でも読んでいくうちに…「なんでここに??」といった気になる読みづらさが。
どちらのケースも、ほとんどの人は気にならないことかもしれません。
でもデザイナーのお二人は普段、1ミリの差にとても敏感。
「神は細部に宿る」という言葉があるように、グラフィックデザインをしている人は、常にミリ単位で制作物を見ています。お二人とも普段はそういう仕事ぶり。
こんなベテランさんでも、専門外だと気付かなかったり知らないかもしれないことがあるんだ…と意外に感じました。
依頼前にデザイナーさんに事前確認しよう
とは言っても、ベテランデザイナーさんは基礎がかなりハイレベルで百戦錬磨。
いろんな分野で活躍されています。
また近年はwebと本、両方対応するデザイナーさんが増えていますよね。
ただ、「webデザインができる ≠ 本のデザインができる」。イコールではありません。
なので依頼前に
「本やページものの制作はされますか?」
と確認しておくだけでも、お互い心地良く仕事がしやすくなるはずです。
デザイナーさんの得意を知って、より良いブランディングを
今回の記事で知ってほしかったのは、
「デザイナーは何でも万能にデザインできるわけではなくて、得意な分野がある」ということ
違いを知っておくと、すれ違いを防げてより良いクリエイティブになりやすい
ということでした。
良いデザインはビジネスの課題を解決してくれます。
ファンを増やすブランディングにも繋がります。
デザイナーさんとやりとりする際のポイントを知っておくことで、ビジネスがスムーズになればと思います。
本のデザインって楽しい!
エミーズ編集室は、雑誌や書籍、冊子などのエディトリアルデザインを手掛けてきました。本と紙が大好きです。
本を制作・出版する際にはぜひお声がけください。